会長挨拶
この度、平成29年6月の総会・理事会にて第2代会長を拝命し、新運営体制のもとで第一歩を歩み出しました。浅学菲才の身にとって光栄であり、身の引き締まる思いでございます。
本研究会は磯貝初代会長のもと、筋・骨・神経などの運動器系の詳細な構造を三次元的に学び、且つこれらを体表から正確に触察する方法を検証することを目的として発足しました。そして、その成果を理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、はり師等の運動器系を治療対象とする臨床家に広く普及させるために活動してまいりました。
そのために不可欠である、本活動を支えてくれる仲間(講師)の育成にも力を入れてまいりました。触察技術の伝達には、触知感という感覚の共有と伝達が必要です。そのためには、指導する側にも指導される側にも、時間と労力そして熱意が必要です。それにもかかわらず、九州から東北まで91名の仲間が育ちました。北海道に仲間が生まれ、全国各地方に仲間のいる研究会に発展するのも秒読みの段階です。
このような素晴らしい研究会の会長を引き継ぐにあたり、これから本研究会の活動に関して、抱負を述べさせていただきます。
まず、これまでの研究会活動を引き継ぎ、国内における運動器系体表解剖セミナーの充実、質の高い講師の育成を行います。そのため、触察法の検証や開発に関してこれまで以上に活発な議論のできる場を作り、その成果を全ての講師が効果・効率的に共有するシステムを作りたいと考えています。また、新しい講師を育成するための講師育成ラダーの作成も行いたいと思います。さらに、既に開始されているJICAへの支援活動等の国際的視点に立った教育・研究活動を可能な限り充実させていきたいと考えています。そして、若手会員の研究・運営活動への積極的参加を促進させ、本活動を次世代へ確実に引き継ぐための準備を開始したいと考えています。
最後になりましたが、本研究会活動が少しでも医療の発展に寄与できることを願い、会員一同取り組む所存であります。これまで同様よろしくお願い申し上げます。
一般社団法人 体表解剖学研究会
会長 明瀬 敬二
研究会概要・定款
研究会名 | 一般社団法人 体表解剖学研究会 |
研究会名(英文) | Society for Surface Anatomy |
会長 | 明瀬 敬二 |
会員数 | 90名 |
所在地 | 東京都 |
事業内容 | ・運動器系体表解剖セミナーの企画・運営 ・体表解剖学に関する講演会の企画・運営 ・講師の育成 |
研究会沿革
平成 8年 (1996年) | 杉村病院(熊本県)にて触察セミナーが開始される。 |
平成 9年 (1997年) | セミナー名を「筋触察セミナー」として正式に開始される。(第1回)surface Anatomy |
平成10年 (1998年) | 会場を介護老人保健施設のぞみ(熊本)に移して開催となる。 「骨格筋の形と触察法」が出版される。 |
平成11年 (1999年) | 会場を田主丸中央病院(福岡県)に移し、セミナー名を「運動器系体表解剖セミナー」へ変更して開催となる。 年4 回(8 日間)コースで開催される。(第3 回) |
平成13年 (2001年) | 会場を西日本リハビリテーション学院(熊本県)に移して開催となる。 |
平成14年 (2002年) | 年5回(10日間)コースで開始される。(第6回) |
平成15年 (2003年) | 西日本リハビリテーション学院(熊本県)に名古屋医療福祉専門学校 (愛知県)を加えた2 会場での並行開催が始まる。(第7 回) |
平成16年 (2004年) | 愛知県の会場を専門学校愛知医療学院(現愛知医療学院短期大学)(愛知県)に移して開催となる。 |
平成18年 (2006年) | 熊本県の会場を九州中央リハビリテーション学院(熊本県)に移して開催となる。また、愛知県の会場では専門学校愛知医療学院(現愛知医療学院短期大学)(愛知県)と日本医療福祉専門学校(愛知)との共同開催となる。 セミナー開催10 周年記念式典が、熊本ホテルキャッスル(山茶花の間)で盛大に執り行なわれる。 |
平成19年 (2007年) | 九州中央リハビリテーション学院(熊本県)、専門学校愛知医療学院(現愛知医療学院短期大学)(愛知県)に加え、日本工学院(東京)の3 会場での並行開催が始まる。(第11 回) |
平成20年 (2008年) | 研究会として正式に発足する。(名称:体表解剖学研究会) |
平成22年 (2010年) | 土佐リハビリテーションカレッジ(高知県)にてセレクションコースが開催される。 |
平成23年 (2011年) | 一般社団法人として発足する。(名称:一般社団法人 体表解剖学研究会) 東京都の会場を東京工科大学に移して開催となる。九州中央リハビリテーション学院(熊本県)、愛知医療学院短期大学(愛知県)、東京工科大学(東京都)に加え、四国医療専門学校(香川県)の4 会場での並行開催が始まる。(第15 回) 上肢中心の6 日間コース(A コース)と下肢中心の6 日間コース(B コース)の2 コースを設定し開催される。 |
平成24年 (2012年) | 第3回全国研修会が九州中央リハビリテーション学院(熊本県)にて開催される。 土佐リハビリテーションカレッジ(高知県)にて頭・頸部の体表解剖セミナー “摂食嚥下療法や頸部の治療のために” が開始される。 新潟医療福祉大学(新潟県)にてセレクションコースが開始される。 |
平成25年 (2013年) | 第4回全国研修会が土佐リハビリテーションカレッジ(高知県)にて開催される。 九州中央リハビリテーション学院(熊本県)、麻生リハビリテーション大学校(福岡県)、愛知医療学院短期大学(愛知県)、東京工科大学(東京都)、穴吹リハビリテーションカレッジ(香川県)、ハーベスト医療福祉専門学校(兵庫県)の6会場での並行開催が始まる。(第17回) |
平成27年 (2015年) | JICAボランティア予定者へのサポート事業、およびベトナム社会主義共和国にて第1回運動器系体表解剖セミナーが開始される。 |
平成28年 (2016年) | 第5回全国研修会がサザンビーチホテルアンドリゾート(沖縄県)にて開催される。 セミナー開催20 周年記念式典が、美々ビーチいとまん(沖縄県)にて盛大に執り行なわれる。 |
平成29年 (2017年) | 定款に基づき役員改選が行われ、明瀬 敬二 氏(会長)、菅原 仁 氏(副会長)を中心とする新体制となった。 磯貝 香 氏(前会長)、 河上 敬介 氏(前監事)は、相談役として当研究会の運営を支えていくことになった。 |
平成30年 (2018年) | 第6回全国研修会が名古屋学院大学(愛知県)にて開催される。 第1回解剖学講演会が東京工科大学(東京都)にて開催される。 大分大学(大分県)にて「セレクションセミナー in 大分」、常葉大学 (静岡県)にて「セレクションセミナー in 浜松」が開催される。 |
令和元年 (2019年) | 第54回日本理学療法学術研修大会(徳島県)にて、本研究会講師が指定研修(体幹前面、上肢、体幹後面、下肢)を担当する。 |
令和 2年(2020年) | 運動器系体表解剖セミナーは新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により中止され、触察法の動画が配信される。 |
令和 3年(2021年) | 昨年度と同様、運動器系体表解剖セミナーは中止され、オンライン講演会、および少人数対面デモンストレーションとオンライン講義を組み合わせたハイブリッドセミナーが開催される。 |
令和 4年(2022年) | 新型コロナウイルス(COVID-19)に対する行動制限が緩和され、東海支部、関東支部においてセレクションセミナー(対面式の講義およびデモンストレーション)が開催される。 |
役員・部員名簿
役員
会長 | 明瀬 敬二 |
副会長 | 岡部 孝生 |
理事 | 祝 広孝,田中 誠,溝田 丈士,三浦 達浩,一條 幹史,木村 菜穂子,伊東 佑太,堀 智秋,池内 利行,縣 信秀,青野 正宏,八木 佑介,清島 大資 |
監事 | 菅原 仁 |
相談役 | 磯貝 香,河上 敬介 |
支部長
九州支部長 | 祝 広孝 |
東海支部長 | 縣 信秀 |
関東支部長 | 一條 幹史 |
四国支部長 | 池内 利行 |
研修局
局長 | 田中 誠 |
セミナー運営部 部長 | 池内 利行 |
副部長 | 木村 菜穂子 |
部員 | 高山 将史,松村 仁実,小橋 泰文,中村 智 |
学術運営部 部長 | 溝田 丈士 |
副部長 | 伊東 佑太 |
部員 | 堀 智秋,江玉 睦明,井下 庸祐,松木 淳 |
教育局
局長 | 一條 幹史 |
教育支援部 部長 | 長山 幹 |
部員 | 宮守 隆一,姉川 恵佑,小泉 香織,永田 泰仁 |
研究推進部 部長 | 一條 幹史 |
副部長 | 石井 裕之 |
部長 | 祝 広孝,柴本 圭悟,駒木 尊裕 |
広報局
局長 | 祝 広孝 |
広報部 部長 | 祝 広孝 |
部員 | 縣 信秀,粕谷 亨,藤井 靖晃 |
IT部 部長 | 縣 信秀 |
事務局
局長 | 青野 正宏 |
財務部 部長 | 堀 智秋 |
副部長 | 四方 実 |
部員 | 里井 宏之,富永 敬三,菅原 浩太,村尾 あかね,清島 大資 |
総務部 部長 | 八木 佑介 |
部員 | 宮守 龍一,山浦 誠也,駿藤 友也,高尾 耕平 |
渉外部 部長 | 清島 大資 |
部員 | 大森 里佳 |
歴代会長挨拶
医療サービスを受ける方々が上質な医療の提供を願うのは勿論のことですが、医療サービスを提供する側である私たち医療従事者も医療の質の向上に日々研鑽しています。また、医療経済的背景から医療行政を行うものは効率的な医療を要求します。このような状況のなかEBMの重要性が唱えられて久しいですが、リハビリテーション医学においては理論的根拠が確立されたとは言いがたい状況ではないでしょうか。
本研究会は、筋・骨・神経等の運動器系の詳細な構造を3次元的に解明し、かつこれらを体表から正確に触察する方法を研究しています。そして、研究成果を理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、はり師等に広く普及させる活動を行っております。それは、メスをもたないコ・メディカルにとって体表から筋や骨の位置を正確に把握できることが、EBMの原点のひとつと考えるからです。これらの目的を達成するために、少数の有志の集まりにより自然発生的に始まった勉強会が、現在では九州、中部、関東、四国で定例のセミナーを開催するまでに至りました。そして、定款を作成し正式に体表解剖学研究会が発足いたしました。まだまだ発展途上の未熟な会ではありますが、医療の発展に寄与できることを願い一層努力して参ります。どうぞよろしくお願いいたします。
一般社団法人 体表解剖学研究会
前会長 磯貝 香